心に突き刺さる吸引力のあるコピーを発見。
「家に帰っても何もないぞ!」
──時刻は17時半。
浜松市の中心部、
一日の仕事を終えて駅へ向かう人の流れの中にその男もいた。
──長男は、東京の私立大学へ。
長女は中三あたりからおかしくなり、高校へ入ってからは2、3日見ないことも多く、会話もほとんどない。
パートを始めた妻は、外出することも多くなり、
家に帰っても「何もない」どころか「誰もいない」こともある。
今まで信じて守ってきた「家庭」は何だったのか……?
──駅に向かう足どりも重くなる。
炭火焼きの香ばしい煙にふと立ち止まる。
いつも気になっていた炭火の焼き鳥屋。
入口の壁に貼られた紙が目に入る。
「家に帰っても何もないぞ!」
薄々感じていた現実を、他人から強烈に宣言された。
迷わず暖簾をくぐる。
そして、週に2回の常連となる──。
( ……体験談ではありませんよ。)
この「家に帰っても何もないぞ!」という投げかけは、
ただ、晩酌のつまみや食事のことだけではなく、
17時半の精神的な空虚感にも訴える強いインパクトを持つコピーだと思います。